このベンチでしたね
きっと

あの夜のコンサートは
"Misty" のバラードで終わりました
席を立つと
あなたしか見えなくなって
あなたの腕を
両手で抱えていました

わたしは霧の中

バラードの余韻の中を
どれだけ歩いたのでしょう
いつの間にかベンチに座り
あなたの唇が
わたしの言葉を消しました

わたしは霧の中

わたしの行く道に
光が見えたと思ったのに
あれは
この外灯だったのでしょうか

このベンチは
あの夜のわたしを
覚えているかしら


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