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晩秋の里山の小道を歩いた。
前日の雨がまだ乾ききっていなかった。
ふーっと大きなものが眼の前を過って数歩先に落ちた。
小道から外れた雑木の周りはきれいに下草が刈られていて、
朴の木の葉が一斉にわたしの方を見た。

先ほど落ちた葉は、既に散り敷いていた葉の中に紛れてしまい、
どれか分からなくなっていた。
どの葉も朽ち始めていたけれど、
初夏に純白の大きな花を咲かせた自信からか、
確たる朽ちゆく美学を持ち合わせているのであろう、
朽ちゆく自分に誇りを抱いているようにさえ見えた。
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