今日の一枚
待 宵 草
部屋の灯りを消し
ラジオドラマを聞いていた。
流れてきたのは
ドビュッシーの「亜麻色の髪の乙女」。
主人公が
自分に代わって話していた。
主人公の
初恋は終わった。
障子越しの月の光が
学校帰りに採ってきた待宵草を
机の上に
浮かび上がらせていた。