今日の一枚
		クレマチス
		祖父が手入れしていた庭には 皐月が終わると鉄線が咲いた。 　 毎年同じ場所に咲くのに 「こんなところに鉄線が。」 と驚いたものだ。 花期が終わると 細い蔓は いつの間にか枯れたようになり 花を見るだけのわたしは そこに鉄線のあることを 忘れてしまう。 君を待つ間 街角をぶらついた。 懐かしい色の花が遠目に見えた。 その向こうから 君が手を振った。 「クレマチスが咲いたわね。」 と君が言った。
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