レストランで向き合い
あなたは私を傷つけまいと
ひとつひとつ言葉を選び
男の夢を話してくれました。
私の口をついて出る言葉は
あなたを困らせただけ。
次の日の朝
まぶしい朝陽を避けて
あのベンチに腰掛け
心を変えることができないまま
あなたを待っていました。
その時です
鈴懸の梢をすり抜けた朝陽が
私の心を射抜き
私はベンチから立ち上がり
日本に帰る決心ができました。
40数年の時を経て 夢をかなえたあなたと
このベンチで
再び会える喜びに
私の心は震えています。
あなたが
私を
見つけ出せますように。
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