彼岸花、曼珠沙華
控えめの雨が繰り返すうちにお彼岸が近づきました。
公園の傾斜地の草むらの中、近くの田んぼの畦に、白い茎がニョキニョキと伸び始めたかと思うと
今日はもう緑の茎の上で鮮やかな炎が燃えています。
夏草が勢いをなくしたのを見て取って、スポットライトを浴びる抜け目の無さ。
やがて炎は消え、茎も萎えてくる頃になると、周囲の夏草は枯れ、茎の根元から葉が出始めます。
秋から冬の太陽を独り占めにするのです。
やがて春になり、また雑草が芽を伸ばし始めると、葉は萎れ、土の中で膨らんだ球根に
バトンを渡します。暑い夏は雑草に好きなようにさせ、球根は秋雨を待つのです。
抜け目の無いという表現がお気に召さないならば、利口、見事な戦略、あるいは
スマートな、とでも言い換えましょうか。
兎に角、遠目にこの赤を見つけると、近づいてみたくなってしまうのです。
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