今日の一枚
草 む ら
夏は終わった。
消えてしまった
草叢の青や緑の
まぶしいほどの艶やかさ。
草叢を押し分け
前へ進みたいのに
最初の一歩が踏み出せない。
見えるのは有刺鉄線。
あれが怖いのではない。
引っかけた時の痛みが
怖いのでもない。
越えた向こうで
よろめかず
自分の足で歩けるのか、
自信がないだけ。
草叢の向こうで
誰かが呼んでいる。