秋も深まると、柘榴(ざくろ)の堅い皮が破れて赤い実が中から覗きます。
石垣のように詰まっている実の透明の薄皮は破れ易く、
中から赤いジュースが漏れ出さないように粒をはずすのは案外難しいのです。
注意しながら掌いっぱいになった粒を一気に口に頬張ると、
弱い酸味と一緒に透き通った甘味が口の中に広がります。
 
生家の庭の隅に太い3本のざくろの木があって、
ルビーのようなざくろの実を頬張るのは晩秋の楽しみでした。
 生家に今はもうそのざくろの木もなく、遠い郷愁となりました。
 
店で輸入物の柘榴を一個買い求め
丁寧に割ってみました。
宝石のような美しさは変わりません。
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