久し振りに逗子駅に降り立った時夫の目には、 駅前は初めて見た光景のように思えた。 それまで、 友に会うことばかり考えて降り立ったこの駅で、 周辺の景色に目をやる余裕もなかったことに、 時夫は、 初めて気づいた。