晩秋の八ヶ岳美術館 
     
        

久しぶりに八ヶ岳美術館に寄った。

新倉孝雄写真展 "NEW YORK" を観たかった。
ぎりぎりまで絞込み、主題にスポットライトを当てたように撮る。
期待に違わず、気に入り、参考になった作品が数点あった。

館内には、地元、原村出身の清水多嘉示の絵と彫刻も展示されていた。
美術館の正面右側にある「みどりのリズム」も清水の作品だ。
ブールデルに師事した清水の解説文があったので、書き写してきた。

 一体世間では、絵の仕事と彫刻の仕事を別物のように考えたり、
『絵は分かるが、彫刻はどうも』という人に会ったりして、
こちらがまごつく事がしばしばある。
 造形芸術はいうまでもなく、形(フォルム)で内容を表現する。
従って芸術作品に於ける形(フォルム)は、自然の表面の形ではなく、
物の本体を的確に形に置き換えたものでなくてはならない。
(芸術は精神世界を離れては成り立たない。)
 絵だけなら分かると言うのは、絵の色彩に幻惑されて居て、
本当は何も分かっていないと言える。つまり材料の相違はあっても、
エレメント(要素・本質)に於いては絵も彫刻も同じである。
粘土を手にすると、絵筆をもつのとは、いささかも変わりはない。 

    清水多嘉示 −ブ−ルデル解説より−

                    
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